固定資産と減価償却

固定資産:土地、建物、備品、車両運搬具(資産)

建物や土地などは、購入後、長期にわたって使用するものを、固定資産といいます。固定資産の勘定科目には、土地、建物、備品、車両運搬具等がある。固定資産は、売ればお金に代わるため、後からお金にかわるものとして、資産である。

固定資産を購入したときは、その固定資産を購入して使うまでにかかった金額(取得原価)で記入する。例えば土地の取得であれば登記料や仲介手数料等の付随費用もかかるが、取得原価には付随費用も含める。

固定資産の取得原価の求め方

取得原価=購入代価(本体の価額)+付随費用(仲介手数料など)

固定資産の種類と付随費用

種類

主なもの

付随費用

建物

事務所、店舗、倉庫等

登記料、仲介手数料等

土地

事務所や店舗などの敷地

登記料、整地費用等

備品

机やイス、商品棚、パソコン等

引取運賃等

車両

運搬具

トラックや営業車等

購入手数料等

固定資産の仕訳

×2年1月1日 建物1,800円を購入し、代金は月末に支払うこととした。なお、購入にあたっての登記料140円と仲介手数料60円は現金で支払った。

借方(左側)

貸方(右側)

資産の増加

負債の増加・資産の減少

建物

2,000

未払金

現金

1,800

200

直接法:減価償却費(費用)、固定資産の勘定科目

固定資産は、長期的にお店で使われることによって、売上げを生み出すのに貢献するとともに、固定資産を使ったり経年劣化し散りしてその価値は年々減ってく。そこで、その価値の減少分を毎年、費用として計上する。この手続きを減価償却といい、この価値の減少分の見積額を「減価償却費」という勘定科目で仕訳する。減価償却費は、利益のマイナス(もうけるために使って価値が減少した費用の見積もり額)のため、費用である。

⇒仕訳においては、固定資産の勘定科目が減価償却費により直接差引かれる、帳簿価額が減少するため直接法という。

間接法:減価償却費(費用)、減価償却累計額(マイナスの資産)

直接法においては、減価償却費によって固定資産の帳簿価額が直接減少するため、後から固定資産の取得原価が分からないというデメリットがある。

そこで、固定資産の帳簿価額を減らさず、減価償却費によっての価値の減少分をマイナスの資産として別の勘定科目に溜めて、貸借対照表では併記するやり方がある。このときに使うマイナスの資産を「減価償却累計額」という(マイナスの資産は、貸倒引当金を参照)。

減価償却費の求め方(定額法)

減価償却費は、取得原価・耐用年数・残存価額を使って求める。

取得原価

固定資産の購入にかかった金額

耐用年数

固定資産の寿命。固定資産の種類によって変わる。

残存価額

耐用年数まで使ったあとに残る価値

減価償却費を毎年同額であると仮定して計算し、取得原価から残存価額を差し引いた金額を、耐用年数で割って計算する。

減価償却費(定額法)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数

⇒日商簿記の問題では、残存価額10%でよく出題されるため、

減価償却費(定額法)=取得原価×0.9÷耐用年数で計算する。

減価償却費の仕訳

×2年12月31日 当店は当期首(×2年1月1日)に購入した建物(取得原価2,000円)について減価償却を行う。なお、減価償却方法は定額法(耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%)による。

⇒(取得原価2,000-残存価額2,000×0.1)÷耐用年数30年=減価償却費60円

⇒取得原価2,000×0.9÷耐用年数30年=減価償却費60円

借方(左側)

貸方(右側)

費用の発生

資産の減少

減価償却費

60

建物

60

×2年12月31日 当店は当期首(×2年1月1日)に購入した建物(取得原価2,000円)について減価償却を行う。なお、減価償却方法は定額法(耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%)、記帳方法は間接法による。

⇒(取得原価2,000-残存価額2,000×0.1)÷耐用年数30年=減価償却費60円

⇒取得原価2,000×0.9÷耐用年数30年=減価償却費60円

借方(左側)

貸方(右側)

費用の発生

マイナスの資産の増加

減価償却費

60

減価償却累計額

60

固定資産売却益(収益)、固定資産売却損(費用)

固定資産を売却したときは、その固定資産がなくなるので、固定資産の帳簿価額を減らします。そして帳簿価額と売却額を比べ、売却額が帳簿価額より多いときは「固定資産売却益」という勘定科目を、売却額が帳簿価額より少ないときは「固定資産売却損」という勘定科目を使う。固定資産売却益は利益のプラスなので収益で、固定資産売却損は利益のマイナスなので費用である。

帳簿価額は、固定資産を減価償却しているときは、その取得原価から減価償却された額を差し引いて求めなければならない。

固定資産の帳簿価額の求め方

固定資産の帳簿価額=取得原価-減価償却の累計額

期中・期末に売却したとき

期中・期末に売却したときは、上記の計算からさらに当期に使った分の減価償却を差引かなければならない。

期中・期末に売却したときの減価償却費の求め方

当期分の減価償却費=1年分の減価償却費×当期使用期間÷12月

※日割り計算時は365日

固定資産売却益(損)の仕訳

×5年1月1日 当店は、備品(取得原価400円、減価賞却の累計額180円、直接法で記帳)を250円で売却し、代金は月末に受け取ることとした。なお、当店の会計期間は1月1日から12月31日までの1年である。

⇒建物の帳簿価額=取得原価400円-減価償却の累計額180円=220円

借方(左側)

貸方(右側)

資産の増加

資産の減少・収益の発生

未収入金

250

建物

固定資産売却益

220

30

×5年1月1日 当店は、備品(取得原価400円、減価賞却の累計額180円、間接法で記帳)を250円で売却し、代金は月末に受け取ることとした。なお、当店の会計期間は1月1日から12月31日までの1年である。

借方(左側)

貸方(右側)

資産の増加・

マイナスの資産の減少

資産の減少・収益の発生

未収入金

減価償却累計額

250

180

建物

固定資産売却益

400

30

×5年10月31日 当店は、×2年1月1日に購入したトラック(取得原価900円、期首の減価償却累計額540円、減価償却方法は定額法、残存価額は0円、耐用年数は5年、間接法で記帳)を200円で売却し、代金は月末に受け取ることとした。なお、当店の会計期間は1月1日から12月31日までの1年である。

⇒1年分の減価償却費=900÷5=180円

⇒当期分の減価償却費=180円×10月÷12月=150円

借方(左側)

貸方(右側)

資産の増加・

マイナスの資産の減少・

費用の発生

資産の減少・収益の発生

未収入金

減価償却累計額

減価償却費

固定資産売却損

200

540

150

10

車両運搬具

900

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