貸倒引当金

貸倒引当金(マイナスの資産)

当期に発生した売掛金等を次期に持ち越すときに、貸倒れが発生する可能性があるため、将来どのくらいの割合で貸し倒れる可能性があるかを見積って、あらかじめ準備する。この貸し倒れに備えた金額を、貸倒引当金といい勘定科目も「貸倒引当金」を使う。

貸倒引当金は、売掛金等の現在資産であるものを減らした(回収できない)ことにするものなので、マイナスの資産である。

⇒「マイナス」の意味は、仕訳のときのホームポジションが貸方である事を意味する。

⇒「資産」の意味は、財務諸表においては貸借対照表の資産の部に記録されることを意味する(売掛金等と併記する)。

貸倒引当金繰入(費用)

貸倒引当金を設定するときの相手科目は、貸倒引当金繰入を使う。貸倒引当金(マイナスの資産)は、もし前期から持ち越された売掛金等に貸倒損失(費用)が発生したときに、貸倒損失(費用)よりも先に充当され、貸倒引当金(資産)が足りないときに貸倒損失(費用)を使う。すなわち、貸倒引当金(マイナスの資産)は最終的には貸倒損失(費用)の代わりに使われるものであるので、貸倒引当金(マイナスの資産)を設定する際には、相手科目を費用で設定する必要がある。だから、貸倒引当金繰入は費用絵である。

差額充当法

仕訳後の貸倒引当金の残高は、現在の売掛金や受取手形等に実績率をかけて、いくら必要かを求める。そして、貸倒引当金繰入額は、仕訳前の貸倒引当金があるときは、仕訳後の貸倒引当金の差額とし、その額の貸倒引当金を充当する。

仕訳後の貸倒引当金=売掛金等の総額×実績率

貸倒引当金繰入額=仕訳後の貸倒引当金-仕訳前の貸倒引当金

貸倒引当金・貸倒引当金繰入の仕訳

12月31日 決算日において、売掛金の期末残高400円について、2%の貸倒引当金を設定する(仕訳前の貸倒引当金はないとする)。

⇒売掛金等の総額400円×実績率0.02(2%)=8円

⇒仕訳後の貸倒引当金8円-仕訳前の貸倒引当金0円=8円

借方(左側)

貸方(右側)

費用の発生

マイナスの資産の増加

貸倒引当金繰入

8

貸倒引当金

8

12月31日 決算日において、売掛金の期末残高400円について、2%の貸倒引当金を設定する(仕訳前の貸倒引当金は5円残っている)。

⇒売掛金等の総額400円×実績率0.02(2%)=8円

⇒仕訳後の貸倒引当金8円-仕訳前の貸倒引当金5円=3円

借方(左側)

貸方(右側)

費用の発生

マイナスの資産の増加

貸倒引当金繰入

3

貸倒引当金

3

×2年3月10日 得意先が倒産し、売掛金(前期に発生) 50円が貸し倒れた。なお、貸倒引当金の残高が8円ある。

借方(左側)

貸方(右側)

マイナスの資産の減少・

費用の発生

資産の減少

貸倒引当金

貸倒損失

8

42

売掛金

50

償却債権取立益(収益)

貸倒れが起こったときに、回収できなくなった売掛金等は全額貸倒損失(費用)となる。しかし、その後に回収できないと思っていた売掛金の一部を回収できる事がある。この回収できないと思っていた債券(償却債権)を回収(取立)した利益なので、「償却債権取立益」という勘定科目を使う。償却債権取立益は、利益のプラス(損した思っていた分が戻ってきたのでもうけた)なので、収益である。

償却債権取立益の仕訳

×3年1月20日 前期(×2年度)に貸倒処理した当店に対する売掛金50円を現金で回収した。

借方(左側)

貸方(右側)

資産の増加

収益の発生

現金

50

償却債権取立益

50

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