タックスプランニング

ファイナンシャルプランナー(FP)全体講義動画

タックスプランニング

資格の紅白(通信講座、福岡県通学講座)

全体講義とは

ファイナンシャルプランナーを独学で勉強するとどうしても暗記が増えてしまい結局何が言いたかったのかが分からなくなります。そこでまず全体の概要や何を学びどんなことを考えてほしいのかを勉強するとその後のテキスト等でのインプットがスムーズに勉強できます。

だいたい3級レベルの基礎レベルに合わせて講義していますが、2級独学者にも十分に役に立つ内容です。

動画をみてファイナンシャルプランナー(FP)3級、2級試験に合格しましょう。

タックスプランニング① 税・所得税の概要

タックス① 節税を行うために

脱税と節税、租税回避

脱税

偽りその他不正な行為(違法行為)により納税を免れる行為

節税

法律の規定にも基づいて(合法行為)、合法的に税金を圧縮する行為

租税

回避

違法行為とは言えないまでも通常では考えられない契約を行い、納税を免れる行為

⇒節税行為は行っても良いが、脱税は違法行為であり絶対禁止である。また租税回避行為は場合によっては脱税とみなされて、課税されるおそれがある。

例えばあるアパートのオーナーが管理人を雇い入れたとき

脱税

月に全く従事しない者を雇ったように見せかけて、月に20万円支給している。

節税

配偶者を青色専従者として雇い入れ、月に15万円支給している。

租税

回避

親族を雇い入れ、月に40万円(総家賃収入の半分)を支給している。

⇒このように税の仕組みを知っていれば、違法行為や違法ギリギリのリスクを冒さずとも税を安くすることはできる。

 

税の仕組み

課税客体と非課税

まず税は掛けられる物や事実を決定される(所得税であれば収入)。しかし、この物や事実の全てに税が掛けられるわけではなく、非課税というそもそも税金が課せられないものがある(遺族年金など)。

課税客体から課税標準へ

非課税のもの以外は課税客体と言い税が課せられているが、いくらという具体的な数字が決まらない。そこで課税客体は課税標準と言う具体的な数字に直される(固定資産税であれば土地から固定資産税評価額へ)。

課税標準から税額へ

あとは課税標準に税率を掛けて税額を求めるだけ。ただし、このときもそれぞれに控除と言うそれぞれの数字を差し引いてくれるものがあるので、それらを差し引きながら税額を求める。

税金の計算

①何に税金を掛けられるのかを考える

→非課税を除外

②課税客体を課税標準に直す

→控除などを差し引く

③課税標準×税率=税額

→それぞれの控除を差し引く

所得税の計算の概要

①何に税金を掛けられるのか?

所得とは、発生原因に関わらず全ての経済上の増加(経済的利益)の全てを指す言葉。要するに収入のこと。

→非課税は他の法律などにより社会政策的立場や課税上の要請などから指定してある。

非課税項目

考え方

具体的な非課税項目

仕事をする上で最低限必要なもの

通勤手当や制服などの現物支給

社会政策的見地から税金を掛けてはならないもの

健康保険給付や失業給付、医療保険金など

.課税上の要請から税金を掛けないもの

住宅取得資金の低利貸付や住宅ローン金利の補助、慶弔関係の祝い金や香典など

税金そのもの

宝くじ(たからくじの40%は自治体への収入)

②課税客体を課税標準へ

所得税は収入に税金が掛けられるが非課税になるもの以外に全て税金が掛けられるわけではない。税金とは利益や贅沢に掛けられるものだからである。

そこでまず収入を10個に区分し、費用や経費といったものが差し引かれる。また経費が存在しない場合には控除という代わりで差し引く。

計算式

所得=収入-経費(-控除)

そして、それぞれの所得の計算が終われば一次・二次通算や分離課税が行われる。

一次通算

経常所得グループと一時所得グループに分けられ、グループごとに足しあわされる。

経常所得グループ

給与所得や事業所得、配当所得や不動産所得などのように毎年入ってくるもので、主に生活費に使われると予想される。

一時的所得グループ

一時所得と譲渡所得の2つ。この2つは自分の本業ではないことにおいて、短期的に利益をあげようとしたものと、長期的に保有をしておこうと考えていたものについて事情が変わって売らなければいけなくなってしまった場合が考えられる。前者に多額の税が掛けられるが後者には税の掛けすぎはまずい。

分離課税

他の所得と性質が違うものは、ここで別々に分離されて課税され終了する。

⇒例えば退職所得は、仕事している間に本来は毎月の給料と併せて交付されるものを積み立てられ退職時に一時に支給されるものであり、その費用は収入が減少する老後に少しずつ切り崩すものであるので、他のものと一律に課税するのが難しい。

 

損益通算

損益通算:所得ごとの計算の中に赤字になったものが有れば、一次・二次通算のときに他の所得から差し引く。

ただし損益通算で他の所得から赤字のときに差し引くことができるものは、

不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つに限定されている。

⇒これは、他の所得のうち給与所得などはそもそも赤字が発生しないし、利子所得や配当所得はお金に余裕がある者が投資目的で行う行為であるからである。

 

二次通算

それぞれで計算された経常所得グループと一時所得グループを足し合わせる。

また損益通算した残りがあるのなら、それらも損益通算してよい。

 

三次通算

退職所得と山林所得は分離課税されて課税は終了しているが、二次通算までの合計で赤字があるときや山林所得が赤字で損益通算ができるときは総合課税に戻して合計してもよい。

課税標準の(所得)控除

通算が終われば、所得ごとの違いはなくなり総所得になる。

ここからさらに個別の事情に合わせるため、所得控除が行われる。

この所得控除は、その人の扶養などの状態に着目した人的控除と担税力(税を納める力)に着目した物的控除に分けられる。

これらの控除で該当するものはすべて総所得から控除され、課税総所得金額になる。

総所得金額-所得控除=課税所得金額

人的控除

基礎控除・扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除・

勤労学生控除・寡婦(夫)控除

物的控除

寄附金控除・生命保険料控除・

地震保険料控除(損害保険料控除)・小規模企業共済等掛金控除・社会保険料控除・医療費控除・雑損控除

 

税率

所得税の税率は一律ではなく、超過累進税率と言い課税総所得金額ごとに異なる。

⇒所得の多い者から多額の税率で税を掛けても生活に困ることは少ないが、所得の少ない者の税率は少なくして払う税額も少なくしている。いわゆる所得の再分配を行っている。

速算式では、所得の多い者も195万円までの所得の部分については5%までしか税を払わない(税の公平性)ため、一度に計算するため控除で調整している。

速算式

⇒平成27年以降は、4000万円超は45%の税率が追加。

③課税標準×税率=税額

課税総所得金額に税率を掛けて算出税額を出す。

算出税額から税額控除を差し引いて納付税額を出す。

このとき税額控除は直接税額から差し引くため、所得控除と比べて減税効果が高い。

所得控除:(500万円-20万円)×20%-42.75万円=53.25万円

税額控除:500万円×20%-42.75万円=57.25万円 ⇒ 52.75万円-20万円=37.25万円

税額控除には、住宅ローン控除や配当控除、外国税控除などがある。

タックスプランニング② 所得税の計算

暦年課税

1月1日~12月31日の所得に課税

所得

所得は性質に応じて10種類に区分

課税方法

原則

総合課税(全ての所得を合算して課税)

例外

分離課税(他の所得とは合算せずに、分離して課税)

申告分離課税

申告の必要がある分離課税

源泉分離課税

収入を得た時点で、税金が収入を支払う者から徴収され、その者が税金を納めて課税が終了する

非課税

障害年金・遺族年金・失業給付(老齢年金は課税)

通勤手当(月10万円まで)、宝くじの当選金、損害賠償、生活用動産の譲渡、公社債等の譲渡など

 

所得税の計算の流れ

それぞれの所得の計算

所得の種類

利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得の全10種類

所得の計算の基本式

収入金額―経費(―控除)=所得

⇒⇒経費が認められないものに注意

利子所得

利子所得=収入金額

預貯金・国債の利子、公社債投資信託の分配金

⇒20%の源泉分離課税(利子から20%税金がとられている)で、課税関係は終了

配当所得

配当所得

=収入金額―取得するために要した負債(借入金)の利子

株式・出資の配当、株式投資信託の分配金

 

不動産所得

不動産所得=総収入金額―必要経費

⇒敷金は収入には含めない

⇒土地を取得するための負債の利子は経費にはあたらない(建物を取得するための負債の利子は経費))

土地・建物の賃貸(譲渡は違う)の所得

 

事業所得

事業所得=総収入金額―必要経費

事業をしているときの所得

給与所得

給与所得

=収入金額―給与所得控除(必要経費が認められないため)

給料・賃金・ボーナスなど

雑所得

上記の所得に該当しないものはすべて雑所得になる。計算は公的年金とそれ以外で異なる。

公的年金=公的年金・企業年金の収入―公的年金控除

⇒遺族年金と障害年金は非課税

⇒公的年金の控除は、年齢(65歳が境)と収入により異なる

公的年金以外の雑所得=総収入金額―必要経費


 

退職所得

退職所得=(収入金額―退職所得控除)×1/2

申告分離課税で、退職金・企業年金の一時金など

退職所得控除

勤続20年まで

40万円×勤続年数

勤続20年超

800万円+70万円×(勤続年数-20年)

⇒勤続年数の端数は切り上げる

支払われ方による所得の違い

一次金

退職所得

年金

雑所得(一次金の場合と税金の差はほとんどない)

死亡退職金

相続税

分離課税ではあるが以下のような特徴がある

損益通算や引ききれない所得控除があるときは、確定申告することにより退職所得から控除できる。

税率は、所得税の累進税率を使用する

山林所得

山林所得=収入金額―必要経費―特別控除(50万円)

山林の立木を売ったとき

 

譲渡所得(売ったものの種類・所有期間により異なる)

総合課税:ゴルフ会員権や動産を売ったとき

所有期間が

5年以内

短期

譲渡

総収入金額―必要経費-特別控除額(50万円)

⇒短期譲渡所得から特別控除は差し引いてよい

所有期間が

5年超

長期

譲渡

⇒長期譲渡所得は、総合課税するときに1/2される。

申告分離課税:不動産を売ったとき

所有期間が

5年以内

短期

譲渡

総収入金額―必要経費(取得費・譲渡費用)―特別控除額

⇒特別控除は一律ではなく場合によって異なる。

所有期間が

5年超

長期

譲渡

⇒不動産譲渡所得の所有期間は譲渡した年の1月1日時点で判断する。

⇒必要経費に該当するもの・・・仲介手数料・登記費用(管理費は不動産取得の必要経費)

申告分離課税:株式を売ったとき

総収入金額―必要経費(取得費・譲渡費用)

原則:20%(上場株式は10%にする特例がある) 

一時所得

一時所得=総収入金額―必要経費-特別控除額(50万円)

⇒譲渡所得と損益通算後に一時所得に余りがあれば、総合課税するときに1/2される

満期保険金、立退き料、懸賞やクイズの賞金など 

内部通算と損益通算

内部通算

同じ所得の内部で、黒字と赤字のものを足して、その所得の合計を求めること。原則、同じ所得の場合であれば認められる。

例 Aという動産を売って50万円の黒字。Bという動産を売って30万円の赤字だった場合は、

Aの譲渡所得  50万円

Bの譲渡所得 ▲30万円

∴譲渡所得の合計 20万円

損益通算

他の所得同士の、 黒字と赤字のものを足して、総所得の合計を求めること。赤字は、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の場合しか他の所得と通算できない。

例 給与所得  500万円

事業所得 ▲30万円

一時所得 ▲20万円

500-30=470

∴総所得=470万円(一時所得の赤字は損益通算できない)

一次通算

経常所得グループと一時的所得グループを別々で損益通算する

経常所得(毎年収入が得られる予定のもの)グループ

利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・雑所得

一時的所得グループ

譲渡所得・一時所得 (2分の1前の金額)

二次通算

経常所得グループと一時的所得グループを損益通算し、総所得を求める。

三次通算

総所得と超長期所得グループ(山林所得・退職所得のこと)を損益通算する。

純損失

計算された値が黒字の時は、総所得金額。赤字の時は純損失。

損益通算できないもの

不動産所得のうち、土地を取得するために要した借入金の利子の赤字は、損益通算できない。(建物の負債の利子は可能)

株式による譲渡損失・土地建物の譲渡の損失(分離課税のため)

⇒土地建物の譲渡の損失のうち、特定の居住用財産の買い替え等の場合や、特定の居住用財産の譲渡損失の場合などは、特例で認められている。

所得控除

総所得からそれぞれの事情に応じた所得控除を行い、課税総所得金額を求める。

雑損控除

災害、盗難、横領により生活用資産などに受けた損失

⇒他の所得控除より前、最初に控除します。3年持越し可能

医療費控除

本人、生計を一にする配偶者や親族について支払った医療費

控除額=支払医療費-(保険給付金など)-(10万円か総所得の5%のいずれか少ない金額)

支払医療費:本年に支払った分(支払いが確定しているだけでなく、実際に支払う必要がある)

保険給付金:健康保険からの給付金、医療保険からの保険金は控除する。

⇒傷病手当金や出産手当金は控除しなくてよい。

医療費控除の対象にならないもの(支払い医療費に該当しない)

健康診断・人限ドックの費用で病気がみつからなかったとき

⇒病気がみつかりその後治療する場合は、人間ドック等の費用も支払医療費に含む。

健康増進・整形・疲労回復の薬などは対象外(風邪薬は対象内)

メガネ・コンタクトなど

社会保険料控除

本人、生計を一にする配偶者や親族について支払った健康保険料、公的年金等(全額)

小規模企業共済

小規模企業共済・確定拠出年金(個人)など(全額)

生命保険料控除

平成24年まで

一般生命保険料控除・個人年金保険料控除

本人・配偶者・その他の親族を受取人とした生命保険料・個人年金保険料

⇒それぞれ掛金10万円のときに最高5万円控除

平成24年以降

一般生命保険料控除・個人年金保険料控除・介護保険料

⇒それぞれ掛金8万円のときに最高4万円控除

地震保険料控除

地震保険料は控除される(全額、上限5万円)

寄付金控除

寄付金を控除する(上限あり)

障害者控除

本人・扶養対象配偶者・扶養親族が障害者のとき

寡婦控除

夫と死別・離婚して扶養親族のある人。(年齢・所得ともに制限があり、たとえば所得は夫と死別したときは500万円までや 所得が500万円以下で子を扶養している人が対象)

⇒一般:27万円。特定:35万円

寡夫控除

妻と死別・離婚して扶養親族のある所得500万円以下の人。

⇒同じような制度に見えるが、詳しく見ると寡婦と寡夫は条件は少し違う。

勤労学生控除

本人が勤労学生で所得が一定以下の人

 

配偶者控除

配偶者の合計所得が38万円以下(控除額は38万円)

配偶者特別控除

配偶者の合計所得が38万円超76万円以下(控除額は3~38万円)

⇒収入がパート所得のみの場合で103万円以下なら配偶者控除になる。これは、給与所得控除が65万円あるためである(103-65=38になる))

⇒配偶者控除と配偶者特別控除は併用不可。(昔はできたのでよくひっかけででる)

⇒配偶者が青色申告の青色専従者のときは、配偶者控除・配偶者特別控除は適用できない

⇒配偶者特別控除は、本人の所得が1000万円以下でなければならない

扶養控除

16歳以上の扶養親族の合計所得が38万円以下の者があるとき(控除額は38万円)

⇒19歳以上23歳未満の特定扶養親族は63万円

⇒16歳未満の年少者扶養控除は子供手当の関係で撤廃、16歳以上19歳未満の25万円の上乗せは高校無償かの関係で撤廃されている

基礎控除

全ての納税者(控除額38万円、年収・年齢制限はなく全て)

⇒基礎控除は条件に与えられず忘れやすいので注意

算出税額の計算

課税総所得金額に税率を掛けて算出税額を出す。

超過累進税率で課税

課税標準×税率=税額

税額控除

算出税額をさらに税額控除して納付税額を出す。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

ローン残額の1%を控除することによりローンで払わなければいけない利息1%を実質なしにする。

対象となる借入金

住宅取得、増改築のための金融機関や勤務先から借りた借入金

控除期間

10年間(償還期間10年以上あることが要件)

控除率

1%

控除額

 

一般住宅

長期優良住宅

平成25年~平成26年3月31日

最大2000万円

最大3000万円

平成26年4月1日~平成29年12月31日

最大4000万円

最大5000万円

⇒年末残高に対してかかる

要件

合計所得が3000万円以下

床面積50㎡以上(住居に供される部分が1/2以上に限る)

居住用財産の買替え等の場合の譲渡損失と繰越し控除の特例との併用は可能

3000万円特別控除・5000万円特別控除との併用は不可

住民税には住宅ローン控除はなし

⇒所得税を控除してさらに余りがあれば住民税にも適用可能

最初の年には確定申告が必要

転居したら適用できなくなるが、再度入居したときはそのときから再適用ができる

 

配当控除

配当所得として課税した税額から一定額を控除

⇒配当金は法人税で一度税金がかかっているため、その分を差し引く必要がある。

控除額

配当所得の10%(ただし、課税総所得金額が1000万円を超える場合には、超える部分は5%になる)

対象外

外国法人の配当、申告不要制度を適用した配当、特定目的信託(REITなど)、投資法人に投資した場合など

外国税控除

外国で課税された場合は、その分控除される。

源泉徴収票の見方

支払金額と給与所得控除後の金額

①:支払金額

他に所得がないのであれば、年収(会社からの総支給額)

②:給与所得控除後の金額

他に所得がないのであれば、総所得

Aさんの場合

支払金額:7,000,000なので

7,000,000-(7,000,000×10%+1,200,000)=5,100,000

給与所得控除後の金額(総所得):5,100,000

所得控除

①所得控除の額の合計額

全ての所得控除を足し合わせた額

総所得からこれを差し引いて税率を掛けると算出税額になる。

②配偶者控除を求めている

・控除対象配偶者がいる場合:38万円

・その配偶者が老人(70歳以上):48万円

・配偶者特別控除のときは配偶者の合計所得がいくらでそれにより求められた配偶者特別控除額はいくらか

③扶養親族控除を求めている

・一般の扶養親族:38万円

・特定扶養親族(子のうち19歳以上23歳未満):63万円

⇒16歳未満の扶養親族への控除は打ち切りとなっている

・老人扶養親族:(同居のときは)58万円、(別居のとき)48万円など

④社会保険料控除

自分や配偶者・親族が自分の収入から払った社会保険料の額

⇒個別の記載はないが会社で払っている健康保険・厚生年金等の額も加算された合計額になっている。

⑤生命保険料控除によりいくらの控除が受けられるか

⇒保険にいくら支払っているかはその下の欄の額で確認できる。

⑥地震保険料の額

⇒旧制度(長期損害保険料控除)により控除される場合は下の欄で確認できる。

⑦基礎控除などの本人の控除

基礎控除:38万円

⇒勤労学生控除:48万円など特別な場合は控除額が変わる。

Aの①欄に記載される金額

38万円(基礎控除)+38万円(配偶者控除)+38万円(一般扶養親族控除)=114万円

114万円+99.3万円(社会保険料控除)+12万円(生命保険料控除)+3万円(地震保険料控除)=228.3万円

課税総所得金額=5,100,000-2,283,000=2,817,000円

 

税額の決定

①源泉徴収税額

今年納める税額

⇒今までに払った額が多ければ年末調整により還付される。

②住宅借入金等特別控除の額

税額控除である住宅借入金等特別控除がいくらあるか。

⇒源泉徴収税額はこれが差し引かれた後の金額を記載。

Aの税額

2,817,000×10%-97,500=184,200円

184,200-150,000(住宅借入金特別控除)=34,200円

タックスプランニング③ 所得税の節税対策

源泉徴収票から見る節税

①~④は決まっている額や計算した値を明示してあるだけに過ぎないので、あまり関係がない。

節税をするには、以下の2つに着目する。

控除で増やせそうなもの

そもそも源泉徴収票に記載されていないもの

①基礎控除など自分の控除

この控除は現状の状態に合わせた控除なので、どうにかできるものではない。

ただし、いずれかに該当していて申請を忘れている場合などは確定申告をすれば、税額の還付がある。

②扶養親族・・・子

16歳未満の子は扶養控除対象親族から外れたので、影響しない。

17歳以上19歳未満の子や23歳以上の子で扶養に入っている者(学生・ニート・フリーターなど):38万円

19歳以上23歳未満の子:65万円

⇒扶養に入るためには子の合計所得38万円(給与所得のみは103万円)を超えてはならない。

⇒夫婦共働きのときは所得の多い者(税率が高い者)の扶養に入れると節税の効果が高い。

例 高校生1人、大学生1人の家庭(税率20%で計算)

夫:(65万円+38万円)×20%=20.6万円 ⇒▲20.6万円

妻:(65万円+38万円)×5%=5.15万円 ⇒▲5.15万円

∴妻より夫の控除に入れた方が、15.45万円お得!

③扶養親族・・・配偶者

配偶者控除

(控除額38万円)

配偶者の合計所得38万円

⇒給与所得のみは103万円

配偶者特別控除

配偶者の合計所得38万円以上76万円未満

⇒配偶者は合計所得38万円(給与所得のみは103万円)を超えてもすぐには扶養からは外れない。

⇒扶養親族認定基準は制度ごとに異なるため、会社の基準は確認すること

⇒また、本当に怖いのは130万円の壁

④扶養親族・・・両親など

両親などを扶養親族にすることができる。

⇒生計を一にする必要があるため、仕送りを行ったりする必要がある。また、その際は領収書の残る銀行振込などで行うこと

⇒両親の年収が年金などの場合は65歳未満で108万円、65歳以上で158万円未満にする必要がある(給与所得は65万円以下のとき)。

同居扶養親族:48万円

同居扶養親族以外:38万円

 

社会保険料控除

健康保険や年金で支払った分は全額、社会保険料控除の対象になる

⇒年金未納分を支払ったときも社会保険料控除の対象になるため、大学生・フリーターのときなどに猶予・免除・未納があったときは、払った方が良い(年金増額)。

⇒子供の年金を払った時なども控除の対象可。

⇒確定拠出年金などの小規模企業共済掛金控除も社会保険料控除に含まれて記載される。

生命保険料控除・地震保険料控除

掛捨型の場合

地震保険料や掛捨の生命保険は、その期間に保険事故に合えば保険金が受取れるものなので保険金の期待はない。そのため、万が一のために入った保険でいくらか戻ってくるくらいの認識で良く無理に入る必要はない。

例 生命保険料8万円納付(税率20%のとき)

生命保険料8万円のとき、生命保険料控除4万円

4万円×20%=8千円 ⇒ ∴税額が▲8千円(8千円還付)

積立型の場合

終身・養老保険や個人年金の場合は、どれも保険であるため保険事故が起これば保険金が受取れる。また運用商品であるため解約返戻金や年金などで生存保険金も受取れるため、入っていても損のない商品である。ただし生命保険料控除は所得控除なので還付額は大きくない。

例 8万円の終身保険に加入して年率1%で30年運用したとき

 

払込保険料

年利

30年後の

受取額

返戻率

控除なし

8万円

1%

2,782,791円

約116%

控除あり

実質7.2万円

約1.7%

約129%

⇒年収が高い人であれば控除ありの年利は上がる

⇒控除の最大は8万円のときであるため、8万円超の部分の年利は控除なしのところである。

⇒貯蓄型の場合は終身のみ年金のみに16万円かけるよりも、終身保険・個人年金保険に8万円ずつ掛けた方がお得になる。

 

住宅借入金等特別控除

住宅借入金特別控除は、借金の利息の一部を還付することができるという制度のため、これに入らなければ損になる制度ではない。また住宅において賃貸は単なる消費であるが、自宅を持つということは消費+運用商品であるためリスクが発生することには注意すること。

⇒家を住宅ローンで購入したいと思っている人には良い制度である。

⇒自宅が10年程度で完済できる力を持つ人は積極的に活用して、購入を検討してもよい。

⇒共働きなどで夫婦どちらも借入可能なときはどちらも適用可能。ただし名義を共有とする必要がある。

新築を購入する場合の注意点

これから先、消費税が増税されそれに伴い住宅ローン減税も拡大される。新築や中古住宅(特にマンション)を不動産業者から買う場合には消費税とのバランスに注意すること

⇒中古住宅を個人から買う場合は非課税のため、2000万円以下の物件は気にする必要はない。

⇒土地は非課税のため、戸建の購入の場合は建物の値段にしか影響がない。

⇒マンションは、ほとんどが建物の値段のため影響が大きく特に注意が必要。

 

 

~平成26331

平成2641日~

購入

物件

還付

最大額

消費税5

消費税8

消費税10

2000

万円

200万円(10年)

100万円(100)

160万円(40)

200万円(0)

4000

万円

400万円(10年)

200万円(0)

320万円(80)

400万円(0)

⇒平成26年3月31日までは、住宅借入金特別控除は最大2000万円のため4000万円借りていても還付最大額は200万円のままである。

医療費控除

自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができる。

医療費控除の対象

医療費控除の対象外

診療・治療のための診察費用・先進医療費

美容整形のための費用

入院費用

差額ベッド代

健康診断・人間ドック、

特定健診

⇒引き続き治療を受けた場合

健康診断・人間ドック、

特定健診

⇒異常が発見されない場合

通院や入院のための交通費

(公共交通機関)

ガソリン代・駐車場代・

タクシー代

治療や療養の薬代

(ドラッグストアもOK)

栄養ドリンクなどの健康増進

治療のためのマッサージ

健康増進のためのマッサージ

歯の治療

メガネやコンタクトレンズ

の代金

医療費控除の対象額

対象額=実際に支払った医療費-10万円(⇒)

⇒実際に支払った医療費は1/1~12/31までの分。請求を受けただけではできない。

 

雑損控除

災害や盗難により、生活に通常必要な資産について損害を受けた場合に受ける事ができる所得控除

震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

台風の被害や雪おろしの費用

火災、火薬類の爆発など

人為による異常な災害

害虫などの生物による異常な災害

白アリ被害など

盗難

生活必要財産に限る

⇒別荘や高価な指輪は対象外

横領

控除額

(損害金額+災害関連支出金額-保険金等による補填金額)-総所得金額等×10%

災害関連支出金額-5万円

⇒どちらか多い方

⇒控除しきれない分は3年間の繰越可

災害減免法

雑損控除の代わりに災害減免法による所得税の軽減免除の適用を受けることもできる
要件

住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除く)がその時価の50%以上

災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下であること

減免金額

500万円以下

全額免除

500万円超750万円以下

半額免除

750万円超1,000万円以下

1/4免除

1,000万円超

対象外

⇒雑損控除と災害減免法のいずれかお得な方を適用しよう。

特定支出

給与所得者は経費が一切認められない代わりに給与所得控除が認められている。しかし給与所得控除は一律の制度のため、給与所得控除以上に費用がかさんでいる場合には不公平である。そこで給与所得者にも一定の経費を認めたのが、特定支出である。

特定支出に該当するもの

上限なし

65万円までが上限

通勤のため(通勤費)

図書で職務に関連するものを購入(図書費)

転勤に伴う(転居転居費)

着用することが必要な衣服を購入(衣服費)

⇒スーツ代なども可

職務に必要な研修(研修費)

単身赴任などの旅費など(帰宅旅費)

交際費、接待費その他の費用で、職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答などのための支出(交際費等)

⇒接待のための居酒屋・キャバクラなども可

職務に必要な資格を取得(資格取得費)

⇒弁護士などの資格取得費も可能

控除額

給与所得控除の半分を超えたときに超えた分

 

青色申告

不動産所得・事業所得(山林所得)の有る人が申告できる税制優遇制度

青色申告特別控除

不動産所得又は事業所得がある人は65万円の控除が受けられる。

⇒所得=収入-経費-65万円 利益が65万円以下なら無税となる。

⇒正規の簿記の原則(複式簿記)により記帳していること。

⇒なお事業所得が20万円以下なら確定申告は不要

⇒副業は雑所得になることが多いが、安定して月に5万~10万得られていれば事業所得として認められる。

青色事業専従者給与

配偶者やその他の親族を事業に専ら従事している人として支払った給与は、適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。

⇒給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

⇒給与の額が38万円以下であれば、配偶者控除(扶養控除)の方が有利

⇒給与を受ける者は103万円以上から税は発生するが、税率は5%なので問題ない

⇒130万円の壁により給与が130万円以上になるときは注意

貸倒引当金

売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失見込額の5.5%以下の金額を必要経費として認める。

純損失の繰越しと繰戻し

事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して控除できる。

⇒純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、還付を受けることも可能。

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