賃貸不動産管理経営士 要点整理02 賃貸管理業者登録制度 from 資格の紅白 on Vimeo.
サンプル動画 賃貸管理業者登録制度 概要・得点計画
概要
宅地建物取引士であれば宅地建物取引業法、管理業務主任者であればマンション管理適正化法と言った業者の登録制度とその義務が書いてある。
得点 5点中5点
平成27年では5問が出題されている。出題は、『基本登録』『基幹事務』『8条報告』『契約成立時の書面』『遵守事項』から各1題ずつ出題された。
他にも重要事項説明や財産の分別管理、20条報告と言った重要なところが多い科目である。きっちり勉強時間を使って、確実に全問正解したい。
また宅建試験や管理業務主任者試験受験者は馴染みの深い規定も多いが、微妙に違うところもあるため、気を付けよう。そう言うところを試験作成者も狙ってくるよ思われる。
登録制度とは?
登録制度
賃貸住宅について、管理業務の適切な運営を確保して借主と貸主を保護し、賃貸住宅管理業が貸主・借主双方から信頼される産業として健全に発展することを目的とする制度である。
国土交通大臣の登録
国土交通大臣は、登録の申請があったときは、遅滞なく、賃貸住宅管理業者登録簿に記載して、その登録をする。
権限の委任
登録制度に関する国土交通大臣の権限は、賃貸住宅管理業者または登録を受けようとする者の本店または主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局長および北海道開発局長に委任される。
⇒賃貸住宅管理業者の支店または従たる事務所に関するものについては、地方整備局長および北海道開発局長のほか、支店または従たる事務所の所在地を管轄する地方整備局長および北海道開発局長も権限を行うことができる。
|
国土交通大臣 |
本店の 地方整備局長 |
支店の 地方整備局長 |
本店 |
× |
○ |
× |
支店 |
× |
○ |
○ |
△:権限の委任を受けた場合
※支店は、本店のと別の都道府県にあるものとする
賃貸住宅とは
賃貸用建物のうち、人の居住の用に供する建物を指す。賃貸用建物であっても、人の居住の用に供する部分以外は賃貸住宅ではない。住宅と店舗が一体となっている店舗併用住宅の場合、店舗部分は制度の対象ではなく、賃貸住宅部分だけが制度の対象となる。
⇒賃貸住宅には建物の附帯施設を含む。建物の附帯施設になっている駐車場の管理は、制度の対象である。
⇒住宅以外の事業用ビルや駐車場の管理のみを行う場合は、登録制度の対象ではない。
⇒建物の附帯施設であっても、駐車場だけが賃貸借の対象となっているときは、制度の対象外となる
制度の仕組み
管理事務とは?
受託方式 |
貸主から委託を受けて行う |
サブリース方式 |
住宅を転貸する者(サブリース業者)が行う |
⇒自ら所有する住宅を賃貸する業務のみを行う場合は対象外
⇒賃貸住宅を転貸する者(サブリース業者)が行う賃貸住宅の管理に関する事務には、貸主として行う事務だけではなく、借主として行う事務も含まれる。
⇒サブリース方式において、業者間は取引は対象外。なお、その場合でも、転貸借を行う者でない貸主および借主との賃貸借契約については、本制度の対象外とはならない。
⇒公営住宅も対象
管理事務とは、受託方式又はサブリース方式において、(賃貸)住宅に関する事務であって、基幹事務のうち少なくともひとつの事務を含むものである。
⇒基幹事務を全く含まない場合は、管理事務に該当しない。
⇒基幹事務を一つでも含んでいる場合、その他の業務も管理事務に含む。
基幹事務とは?
①家賃、敷金等の受領に係る事務 ⇒家賃、敷金等には、共益費(管理費)も含まれる。 ⇒借主から敷金、家賃等を一時的に預かり、貸主や賃貸住宅管理業者等に送金する事務は、管理事務にあたらない。 |
②賃貸借契約の更新に係る事務 |
③賃貸借契約の終了に係る事務 |
⇒上記3つ以外の管理事務(賃貸住宅の建物・設備の保守点検や借主の募集に係る事務)は、基幹事務ではない
家賃保証会社の業務が基幹事務の①家賃、敷金等の受領に係る事務に該当する場合
保証会社への委託先 |
集金 |
集金後の 送金先 |
基幹事務に 該当するか |
貸主から委託 |
集金する |
貸主と 管理会社 |
該当する |
管理会社から再委託 |
集金する |
貸主のみ |
該当する |
管理会社から再委託 |
集金する |
管理会社のみ |
該当しない |
管理会社から再委託 |
家賃滞納時 のみ集金する |
貸主のみ |
該当する |
⇒家賃保証会社が代位弁済し、求償する場合は基幹事務に該当しない。
賃貸住宅管理業
管理事務を業として行うものをいう。
⇒業として行うといえるかどうかは、報酬の有無にかかわらず、反復継続的に管理事務を行っているかどうか等について個別の事案を総合的に勘案して判断される。
⇒継続性の有無は、契約行為を反復して行っているかどうかに加え、契約に基づく業務実施が継続しているかどうかも考慮される。
登録
賃貸住宅管理業を営もうとする者は、賃貸住宅管理業者登録簿に登録を受けることができる(任意)。
⇒経営規模や売上高にかかわらず、登録がなされる。
⇒宅地建物取引業の免許がなくても登録は可能である。
⇒登録申請時点において管理実績がなくてもよい
⇒登録の有効期間は、5年である。
⇒国土交通省も、賃貸住宅管理業において、賃貸不動産経営管理士などが業務の中心を担うことは有意義な取組みであると明言している。
⇒登録は法人単位であり、登録は本社で行う。
8条書面
賃貸住宅管理業者は、毎事業年度の終了後3月以内に、業務および財産の分別管理等の状況を書面(8条書面)により、国土交通大臣に報告しなければならない。
⇒8条書面またはこれらの写しは、国土交通省地方整備局等において、一般の閲覧に供される。借主や貸主だけではなく、入居予
定者も閲覧が可能である。
8条書面の記載内容
管理受託の管理実績、受託契約件数、委託貸主数、受託棟数、受託戸数、受託契約金額(千円)
⇒新規受託した契約の件数ではなく、報告基準日において受託が継続していれば、3年前に契約をした物件であっても、件数に算入する必要がある。
⇒決算書および貸借対照表を提出義務はない。
⇒経営規模や経営状況の審査は行われない。
20条閲覧
賃貸住宅管理業者は、8条書面をその事務所ごとに備え置き、借主等の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
⇒8条書面以外の書類を閲覧させる義務はない。
⇒必要に応じ、紙面に印刷、表示することができる場合には、紙面の形式で事務所ごとに据え置かなくてもよい。
⇒登録業者の管理する賃貸住宅に入居している借主(検討している者を含む)および登録業者に管理事務を委託または転貸に係る貸借をしている貸主(検討している者を含む)が、閲覧請求可能。
従業者証明書
賃貸住宅管理業者は、使用人その他の従業者に、従業者であることを証する証明書(従業者証明書)を携帯させなければ、その者を業務に従事させてはならない。
⇒従業者には、代表者など役員も含まれる。
⇒形式は問われないため、宅地建物取引業法の規定に基づく従業者の証明書を利用することができる。
⇒業務を行うに際し、借主等その他の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならない。
標識の掲示
賃貸住宅管理業者は、事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げなければならない。
重要事項の説明と書面の交付
受託方式とサブリース方式のいずれにおいても、貸主・借主に対する重要事項の説明および書面の交付しなければならない。
重要事項の説明
賃貸住宅管理業者は、以下の契約を締結しようとするときは、契約が成立するまでの間に、管理受託契約の内容およびその履行に関する事項に関し、少なくとも定められた必要事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。
管理受託契約の締結前に、貸主に対して |
賃貸住宅を転貸するために自らを借主とする賃貸借契約を締結するときに、貸主に対して |
賃貸住宅を転貸するために自らを貸主とする賃貸借契約を締結するときに、借主に対して ⇒代理もしくは媒介を行う宅地建物取引業者が宅地建物取引業法35条に基づく重要事項の説明等を行う場合には、登録業者が重要事項の説明等を行う必要はない |
重要事項説明の内容
財産の管理の方法など管理事務の内容および実施方法がある。
書面の交付
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結したときは、遅滞なく、
必要事項を記載した書面を作成し、管理受託契約をすでに締結している賃貸住宅について新たに賃貸借契約が締結されたとき、または、賃貸借契約がすでに締結されている賃貸住宅について新たに管理受託契約を締結したときには、賃貸住宅の借主に対し、遅滞なく、前項に規定する書面を交付しなければならない。
契約締結時の書面
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結したときは、貸主又は借主に対し、遅滞なく、必要事項を記載した書面を交付しなければならない。
⇒無償で行う場合であっても、書面交付は必要である。
⇒書面交付は、対面で手渡す方法のほか、郵送することもできる。
⇒重要事項の説明書面と管理受託契約の契約書面については、必要な事項が記載されていれば様式は問わず、両者をひとつの書面によって兼ねることも可能である。
借主に対する契約終了時の書面交付
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約(賃貸借契約の終了に係る事務を受託している場合に限る)の対象となる賃貸住宅に係る賃貸借契約、または、自らを貸主とする賃貸借契約が終了する場合において、借主に対し契約の終了にともなう債務の額(借主が負担する必要のある原状回復費用や未精算の家賃など)を提示しようとするときは、額の算定の基礎について記載した書面を交付しなければならない。
⇒賃貸借契約期間の途中で借主の都合により退去する場合にも、賃貸借契約の終了となる。
⇒借主に対して債務の額を提示するときの書面の形式は指定されていない。
⇒登録制度は、賃貸借契約の内容を規制するものではなく、敷引き特約や原状回復特約を否定するものではない。
⇒登録業者の社員が原状回復に立ち会うことまでは求めているわけではない。
重要事項の説明と書面の交付 まとめ
|
|
受託方式 |
サブリース方式 |
貸主 |
管理会社との契約前 |
重説+書面 |
重説+書面 |
管理会社との契約時 |
書面 |
書面 |
|
借主 |
管理会社との契約時 |
書面作成・交付 |
× |
賃貸借契約の契約前 |
× |
重説+書面 |
|
賃貸借契約の契約時 |
× |
書面作成・交付 |
|
賃貸借契約の更新時 |
書面 |
書面 |
|
賃貸借契約の終了時 |
説明+書面 |
説明+書面 |
財産の分別管理
借主から受領した家賃、敷金等を、自社の固有財産と、貸主・他の貸主の財産とに、整然と分別して、管理しなければならない。
⇒財産の分別管理の状況については、毎事業年度終了後3か月以内に国土交通大臣に報告することが義務づけられる(8条報告)。
⇒転貸の場合、登録業者は、自らが貸主(転貸人)として借主(転借人)から家賃の支払いを受けるから、転借人から受領する家賃等は、自己の固有財産となるが、転借人から受領する家賃等のうち、登録業者が借主として貸主に支払う家賃等については、貸主に支払うまでの間、明確に区分して整然と管理し、適切に送金しなければならない
⇒契約が別々の住宅と駐車場等の賃料を一括して受領し区分できない場合は、一体として管理することができる。
帳簿の作成
賃貸住宅管理業者は、その業務について、事務所ごとに帳簿を作成し、これを保存しなければならない。帳簿は、事務所ごとに別々に作成しなければならない。
⇒管理受託契約および転貸に係る賃貸借契約を締結する度に、記載が必要となる。
誇大広告禁止
著しく事実に相違する表示もしくは説明をし、または実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示もしくは説明をしてはならない。
管理事務の再委託
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に定めがあれば、管理事務を他の者に再委託することができる。
⇒基幹事務を一括して他の者に再委託することは禁止される。
⇒再委託先は登録業者でなくて良いが、準則の定めるところによりその業務を行うよう努めなければならない。
金銭受領の通知等
管理受託契約によって管理業務を行うにあたり、借主から賃貸借契約に定めのない金銭その他の財産を受領したときは、貸主に対し、その旨を通知しなければならない。
⇒の金銭受領の通知義務(準則15条)は、受託方式をとる場合に課される義務である。サブリース方式による管理事務の場合には通知義務はない。
⇒通知の対象となる金銭等は、①賃貸借契約に定めがなく、②登録業者が管理受託契約により管理業務を行うにあたって受領する金銭である。
17条貸主報告(貸主への管理事務の報告)
定期に、管理受託契約または賃貸借契約を締結した貸主に対し、管理事務に関する報告をしなければならない
⇒定期にとなっており、具体的に報告の頻度は定められていない。
管理事務終了通知(借主への管理事務終了の通知)
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の終了その他の事由により管理事務が終了したときは、遅滞なく、賃貸住宅の借主に対し、その旨を通知しなければならない。
従業者の研修
従業者に対し、管理事務の適切な処理を図るため必要な研修を受けさせるよう努めなければならない。
監督
国土交通大臣は、業務に関し借主等に損害を与えたとき、または損害を与えるおそれが大であるときは、賃貸住宅管理業者に対し、その業務の適正な運営を確保するため必要な指導、助言および勧告をすることができる。
⇒他の法令に違反したときや基幹事務以外の管理事務も対象
⇒指導、助言または勧告された場合には、公表されることもある。
⇒情状が重いときでも罰則はない。
登録抹消
届出がなくて廃業等に該当する事実が判明したとき |
正当な理由がなくて8条報告または9条届出を怠ったとき |
登録の抹消の申請があり、その申請を相当と認めるとき |
⇒登録が抹消されたときは、その理由とともに、賃貸住宅管理業者に対して通知がなされる。